「50代からUber Eats配達を始めたいけれど、体力的に大丈夫なのか?」「スマホ操作に自信がない…」「本当に稼げるの?」──そんな不安を抱えている方は多いはずだ。
実際、筆者も50代からUber Eats 配達を始めた当初は、同じような疑問や不安でいっぱいだった。
しかし、経験を重ねるうちにわかったのは、年齢は決してハンデにはならないということだ。
体力・操作・周囲の目・収入・失敗談など、最初に気になるポイントさえ押さえておけば、誰でも着実に慣れていくことができる。
この記事では、筆者の実体験をもとに、50代からUber Eats 配達を始めるにあたっての不安や疑問をすべて解決していく。
これから始めようと思っている方は、ぜひ最後まで読んでほしい。
50代でUber Eats配達を始めるのは不安が多い

体力は大丈夫?一日の走行距離と実際の疲労感
Uber Eats 配達を本格的に始めると、想像以上に体力を消耗するものである。
筆者は1日12時間、週6日というペースで稼働していた時期があり、その結果、関節などに大きな負担がかかり、右股関節を人工股関節に置換する手術を受けることになった。
長時間の稼働は年齢に関係なく身体に深刻なダメージを与える可能性があるため、注意が必要である。
慣れるまでは精神的な負担も大きい。
お店や配達先がなかなか見つからず、焦ってパニックになることが続き、その影響で食欲が落ち、ろくに食事を取れない日もあった。
項目 | 内容 |
---|---|
稼働時間 | 1日 約12時間 |
稼働日数 | 週6日 |
走行距離 | 100km〜180km/日 |
ガソリン代 | 1日あたり 約2,000円弱 |
体への影響 | 長時間稼働により関節を痛め、右股関節を手術 |
慣れるまでの状態 | お店・住所探しでパニック→食欲がなくなる日も |
スマホやアプリ操作は難しい?50代でも問題ない理由
スマートフォンの操作が苦手な人にとって、Uber Eats の配達は最初の壁になることが多い。
特に、アプリの操作に不慣れな場合や、スマホの反応速度が遅い場合には1件あたりの配達時間が増え、結果として1日の配達件数が減少する原因となる。
スムーズな操作は、稼ぎに直結する重要な要素である。
配達員の中には、Uber Eats・出前館・Woltなどを掛け持ちし、複数台のスマホを使い分けている者もいる。
しかし筆者は1台のみで配達している。
理由は明確である。複数台を車内に置いていると、配達中に車に置いたスマホに注文が入ってもすぐに対応できない。
一方、1台であれば常に手元にあるため、どんな注文も見逃すことがない。
結果として、1台運用の方が自分には効率的であると判断している。
とはいえ、慣れている人にとっては操作は難しいものではなく、1日もあれば十分に使いこなせるようになる。
最初は少し戸惑っても、実際に触れていけばすぐに慣れることができる。
周囲の目は気になる?年齢層と実情
筆者の場合、当初はプライドが高かったこともあり、人の目が非常に気になっていた。
配達用のバッグを背負って街を走ることが恥ずかしく、正直なところノイローゼになりそうなほど精神的に追い詰められた時期もあった。
しかし、時間が経つにつれてその感覚は徐々に薄れていった。
実際の配達員の年齢層を見ると、筆者が活動している札幌では高齢の配達員が非常に多い。
中には90歳近い高齢者を見かけることもあり、70代以上の配達員も珍しくないほどである。
さらに、近年では女性の配達員も増えており、30〜50代の女性を見かける機会が明らかに増加している。
夜間の配達では、飲食店の利用者の多くが酒に酔っており、配達員の存在をいちいち気にする者はいない。
そのため、夜の配達はある意味で非常に気楽である。
最終的に言えるのは、昼夜を問わず、周囲の人々は配達員のことをそれほど気にしていないということである。
筆者自身もこの事実に気づいてからは、人目を気にすることなく堂々と配達できるようになった。
Uber Eats配達は50代でも稼げるのか?

実際に稼げた金額と一日の平均報酬
筆者がこれまでに稼いだ最高額は約35,000円だ。
これは長時間の稼働に加え、注文が集中した日など、いくつかの条件が重なった結果である。
平均的な収入は、1日12時間稼働で15,000円〜20,000円程度が現実的なラインだと言える。
札幌では、最も稼ぎやすいのは12月〜3月の冬シーズンだ。
雪が降るこの時期は、配達員の数が減る一方で注文が増えるため、1日2万円〜3万円の収入も十分可能だ。
東京などの地域では夏の暑い時期が繁忙期となるが、札幌は逆に夏はそれほど忙しくない。
稼ぎ時は冬一択というのが実情である。
一方で、1件あたりの単価は年々少しずつ下がってきている。これ以上下がれば生活が厳しくなると考えており、現在が底値だと見ている。
項目 | 内容 |
---|---|
最高日収 | 約35,000円 |
平均日収 | 約15,000〜20,000円(12時間稼働) |
冬(12月〜3月) | 1日あたり 20,000〜30,000円(札幌の繁忙期) |
夏(東京など) | 夏が繁忙期になる地域もある(札幌は非繁忙期) |
単価の傾向 | 毎年少しずつ下落。現状が底と考えている |
稼げる時間帯・エリアのコツ
Uber Eats で効率よく稼ぐには、時間帯とエリアの選び方が非常に重要だ。
最も注文が鳴るのは夜の18時〜20時であり、この時間帯は配達員にとってまさにゴールデンタイムである。
特に飲食店のピークと重なるため、短時間で件数を積み重ねやすい。
とはいえ、平日でも一日を通してそれなりに注文が入るため、極端に暇になる時間帯はほとんどない。
曜日別で見ると、土日祝日がもっとも稼ぎどきだ。特にイベントがある日はさらに注文が増える。
たとえば札幌では、毎年「北海道マラソン」の開催日が高収入のチャンスとなっている。
エリアに関しては、基本的に札幌中心部がメインとなる。
配達先が郊外など遠方になった場合、そのまま戻らず、現地で次の注文を取り続ける戦略を取ることもある。
土地勘がある程度身についてくると、こうした柔軟な動きができるようになり、結果として効率的に稼げるようになるのだ。
配達数を伸ばすために意識すべきポイント
店舗を覚えることが最重要
配達数を増やすうえで最も効果的なのは、よく行く店舗の場所や特徴を頭に入れておくことだ。入口が分かりにくい店舗や看板のない店も多く、経験値がそのまま効率の差になる。
1件あたりの配達時間を短縮する
停車位置や建物の構造を把握しておくことで、初めての場所でもスムーズに配達できるようになる。車の停め方やルート選びに慣れてくると、次の配達への移行が早くなり、1日の総配達件数が大きく伸びる。
長距離案件は基本的に取らない
例として、20kmで1,000円といった「1kmあたり100円を下回る案件」は避けるべきだ。郊外や田舎に飛ばされることが多く、そのエリアでは次の注文が入りにくい。結局は中心部まで戻る時間が必要になり、効率が悪くなる。
50代配達員がよくやる失敗と対策

よくあるトラブル① 住所ミス・遅配
住所の記載ミスやピンずれが多い
お客様側が住所を間違えて入力しているケースは珍しくない。中には、ピンだけを地図上に落とし、住所欄が空白ということもある。この場合は自力で解決できないため、基本的にはサポートに連絡して対応するしかない。
複数配達時の遅配トラブル
Uber Eats では一度に最大3件までの配達を同時に受けることができるが、最後の配達先のお客様から「遅い」とクレームを受けることがある。ルート順や距離によっては時間がかかるため、どうしても避けられないケースもある。
梱包不良によるトラブル
店側の梱包が甘く、汁物が漏れてしまうこともある。配達員は袋を開けて中身を確認することが禁止されているため、そのまま届けるしかない。その結果、配達員の責任ではないにもかかわらず、低評価を受けてしまうことがあるのが現実だ。
よくあるトラブル② アプリ操作ミス
誤って配達完了ボタンを押してしまう
配達先に到着する前に、誤って「配達完了」を押してしまうケースがある。この状態になると、商品は手元にあるのにアプリ上では配達が完了したことになり、配達先の情報が消えてしまう。自力での修正はできないため、最終的にはサポートに連絡して対応してもらうしかない。慣れていても年に数回は起こり得るトラブルであり、焦って操作すると発生しやすい。
よくあるトラブル③ 配達先での対応ミス
他社名を名乗ってしまうミス
オートロック付きの建物でインターホンを押した際、Uber Eats の配達なのに、うっかり「出前館です」と他社の名前を名乗ってしまうことがある。初心者の頃によく起きるミスで、焦っているとつい口を滑らせてしまいがちだ。
置き配なのにチャイムを鳴らしてしまう
置き配指定の注文にもかかわらず、間違えてチャイムを鳴らしてしまい、お客様に怒られたこともある。慣れるまでは確認不足からこうしたミスが起きやすいため、配達先の指示をしっかり読むことが重要だ。
実際に遭遇した「変わった客」エピソード

笑える・びっくりする・ちょっと怖い…リアル体験談
ゴミ屋敷から“手だけ”出てきた話

ドアを開けた瞬間、室内のゴミが天井まで積み上がっており、弁当を受け取るための丸い穴だけが空いていた。そこからスッと手だけが出てきて商品を受け取るという、まるでホラー映画のような体験をしたことがある。
下着姿の女性が笑顔で登場
女性が下着姿のまま堂々とドアを開け、満面の笑顔で商品を受け取ったことがある。あまりにも自然すぎて、こちらが目のやり場に困ってしまった。
ドアをフルスイングで開ける人もいる

中には、ドアをまるでバットのフルスイングのような勢いで開ける人がいる。ドアの正面に立っていると本当に危険で、怪我やトラブルの原因になりかねない。配達時はドアの真ん前には立たないように注意が必要だ。
現金でチップをくれる優しいお客様もいる

ごく稀に、商品と一緒に現金でチップを渡してくれるお客様もいる。思いがけない心遣いに、疲れも一気に吹き飛ぶ瞬間だ。
対応で気をつけていること
「お待たせしました」は必ず伝える
手渡しでも置き配でも、まず一言「お待たせしました」と伝えるようにしている。短い言葉だが、この一言で印象が大きく変わる。
家の中が見えない位置で商品を渡す
手渡しの際は、なるべく玄関の真正面には立たず、少し横から商品を渡すようにしている。室内が見えるとお客様が不快に感じることもあるため、配慮は欠かせない。
商品は常に水平を保つ
配達中はもちろん、手渡しのときも商品を斜めにしないよう細心の注意を払っている。汁物やソースが偏るとトラブルの原因になるため、基本中の基本として徹底している。
配達員が一番腹が立つ瞬間

注文者・店・システム…それぞれの「あるある」
店舗側からの上から目線対応
店によっては、配達員に対して明らかに高圧的な態度を取るところもある。中には「おい」「お前」といった言葉で呼びつけ、説教をしてくるスタッフもいた。あまりにも理不尽な対応に、思わず言い返してしまったこともある。配達員を下に見ている店は、残念ながら少なくないのが現実だ。
注文者の過剰な低評価
少し配達が遅れただけで、すぐに「バッド評価」をつける注文者もいる。もちろん、配達員がわざと遅くすることはない。複数件を同時に配達していたり、道路状況による遅延など、やむを得ない事情も多い。こうした背景を理解してもらえないのは悔しいところだ。
どうやってイライラをコントロールしているか
無理をせず、その日の仕事を切り上げる
筆者の場合、一度イライラすると長引いてしまうタイプなので、冷静な判断ができないと感じたときは、迷わずその日の仕事を終えて帰宅することにしている。車の運転中に感情的になって事故を起こすのが一番怖いためだ。無理に続けて悪循環になるくらいなら、早めに撤退するほうが結果的にプラスになる。
家に帰ってビールでリセットする
帰宅後は、冷えたビールを一気に飲んで気分を切り替える。単純だが、翌日にはスッキリした状態でまた仕事に向かえる。この「リセットの習慣」があることで、長く続けることができている
50代Uber配達員に必須のアイテム紹介

バッグ・防寒・スマホ周辺などの実用グッズ
大きめの配達バッグは必須
配達用バッグはAmazonなどで安価に手に入る。メインのバッグはなるべく大きめのものを選ぶのが基本だ。Uber Eats の配達で最も大きい荷物はピザであるため、ピザがしっかり収まるサイズを基準に選ぶとよい。さらに、通常サイズのバッグを2個ほど用意しておけば、あらゆる注文に対応できる。
スマホの充電環境は万全に
長時間の稼働ではスマホのバッテリー消費が激しい。急速充電に対応したモバイルバッテリーを用意しておくことが重要だ。安価なバッテリーでは充電が追いつかず、途中でスマホが切れて配達不能になるケースもあるため注意が必要である。
あると便利な「ちょい足し」アイテム
雨の日は防水性の高い靴が活躍
雨天時の配達では、靴が濡れると一気に体力と集中力が奪われる。防水性の高いシューズを用意しておくと、長時間の稼働でも快適に動ける。滑りにくい靴底であれば安全面でも安心だ。
サンダルは避け、清潔感を重視
配達中はつい楽な格好をしたくなるが、サンダルなどは避けたほうがよい。足元が不安定になるだけでなく、見た目の印象も悪くなる。しっかりとした靴を履き、清潔感を保つことが大切だ。
服装も「清潔第一」
汚れた服装やヨレヨレの格好で配達に行くと、受け取る側に不快感を与えてしまう。特別なおしゃれは必要ないが、清潔感を意識した服装を心がけるだけで印象は大きく変わる。
私が実際に稼いだ最高額とそのときの戦略

最高額を出した日の配達スケジュール
「マグロ案件」が連発した日だった
俗に言う「マグロ案件」が1日中出ていたことが、最高額を更新できた最大の理由である。マグロ案件とは、1件あたりの単価が通常の何倍にも跳ね上がる高額案件のことを指す。筆者の場合、最高額は2件の配達で約8km走行し、合計6,000円を獲得したときだ。さらに別の日には1件で5,400円という案件もあった。
スピードとルーティンの徹底がカギ
1件ごとの配達スピードも重要な要素だ。特別なことをしているわけではないが、毎回同じルーティンで素早く行動することを意識している。停車位置、商品受け取り、配達完了までの流れを体に染み込ませることで、1日の総件数と報酬額が大きく変わってくる。
なぜその日うまくいったのか
一番の要因は、先ほども触れた通り**「マグロ案件」が多く出たこと**だ。
高単価の案件を次々と取れたことで、短時間でも効率よく報酬を積み上げることができた。
運の要素も大きいが、日頃から迅速な対応を心がけていたことも重なり、結果的に高収入につながったと感じている。
まとめ:50代からでもUber Eats配達は十分にやれる

ここまで、50代からUber Eats 配達を始めるうえでの不安や、実際の体験をもとにしたリアルな情報を紹介してきた。
体力面やスマホ操作への不安、周囲の目、収入面など、最初は心配なことも多いだろう。
しかし、実際に始めてみると、年齢に関係なくしっかりと活躍できる仕事であることがわかるはずだ。
もちろん、体への負担を考慮した無理のない働き方や、基本的な操作・マナーを覚えることは欠かせない。
しかしそれさえ身につければ、安定して収入を得ることも十分可能だ。
特に札幌のように冬が繁忙期となる地域では、シーズンをうまく活用することで高収入を狙えるチャンスもある。
50代からのスタートは決して遅くない。むしろ、これまでの人生経験や判断力が活かせる場面も多い。
最初の一歩さえ踏み出せば、配達員としての生活を十分に楽しみながら続けていくことができるだろう。